2024.06.27

1年次から臨床現場や救護の現場で実践的に学ぶ

1年次から臨床現場や救護の現場で実践的に学ぶ
実践的な職業教育を受けられる「職業実践専門課程」の認可校の現場をレポート。
社会での即戦力を生み出す、各校の実践的な教育体制をポイントごとに紹介します。

CASE1 大阪府柔道整復師会医療スポーツ専門学校

 同校は接骨院・整骨院を開業する先生方約1700人で構成される、公益社団法人大阪府柔道整復師会が運営する専門学校です。業界の未来を支える、高度な技術と倫理観を兼ね備えた次世代の柔道整復師育成のために設立されました。そのため卒業後に即戦力となり得る実践的な教育を徹底。入学初月から大学医学部で導入されている早期臨床体験実習を行うなど、多彩な実技実習を設けています。
 校内の接骨院での臨床実習や機能訓練指導、業界団体が管理する医用画像読影など、臨床に即した学びが豊富な点も特色。
「実習では、指導管理のプログラム作成などグループワークも多く取り入れ、主体的に考え意見を出し合う機会も強化。コミュニケーション力や実践行動力の強化にもつながっています」(杉本先生)

<実践的な教育>
早期臨床実習で技術と医療人の心得を習得

職業実践専門課程の総授業数は1700時間以上との規定があるが、同校ではその倍近い3298時間を履修。実技実習は1032時間に及び、入学後2週目には臨床実習がスタート。接骨院を校内に持ち、施術や機能訓練指導のサポートを行うことで、柔道整復師としての知識と経験を身につけるとともに、医療人としての心構えも学ぶ。

<企業との連携>
高齢者への機能訓練指導やスポーツ現場での救護活動

健康づくり事業財団と連携し、パーソナルトレーニングや高齢者などへの運動指導にかかわるほか、ミズノウェルネスと協働して水中でのリハビリやトレーニングを学ぶなど、さまざまなスポーツ関連企業や団体、医療機関と提携。大阪マラソンなどの大規模スポーツイベントでは、柔道整復師会と連携しで応急処置やストレッチなど救護支援活動も行う。

<教員の質保証>
専任教員全員が自身の専門領域で年1回論文を提出

全教員に対し年1回の論文提出を推奨。運営母体である公益社団法人が会員様向けに行うセミナーや研修への参加も奨励するなど、自己研鑽をサポートする体制がある。論文発表やセミナーを通して修得した知識や経験を授業に取り入れ、EBM(根拠に基づく医療)実践のための論文指導を行ったりするなど、学生の学びへと還元している。


<Voice>
柔道整復学科1年
岩倉幸花さん


中学時代から柔道整復師を目指し、他の学校よりも実習時間が長く資格取得の支援も手厚いこの学校を選択。入学してまだ3カ月ですが、臨床実習のほか、包帯で受傷した患部を固定する実習など現場で学ぶ授業が多く、着実に自分の身になっていると感じます。2年生から始まる国家試験対策の授業も楽しみ。夢に向かって着実に進んでいる実感があります。

編集・ライター/伊藤理子 撮影/上林千晶 内山光 イラスト/村上広恵(トロッコスタヂオ)
本文はCareerMapLabo Vol.4(2023.8月発行)内の掲載記事です。記載されている内容は掲載当時のものです。

杉本 恵理

杉本 恵理Eri Sugimoto

公益社団法人大阪府柔道整復師会
大阪府柔道整復師会
医療スポーツ専門学校
教務部長

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