専門学校で行われる「味わい深い授業」
城者定史氏
大阪ECO動物海洋専門学校
副校長・教務部長
海外のダイビングインストラクターから転身
村井研太氏
大阪ECO動物海洋専門学校
事務局長
学生の今と未来の幸せを考えてサポートする
高見真依氏
大阪ECO動物海洋専門学校
教務アシスタント
元ドルフィントレーナーの卒業生
英語×AI×マネジメントを学び、業界の最先端で活躍できる人材へ
大阪ECO動物海洋専門学校
2014年に大阪コミュニケーションアート専門学校より分離独立した、大阪市西区にある専門学校。動物分野の学科を扱う専門学校としては、日本で初めて文部科学省管轄で大阪府の認可を受けた。多種多様な動物が飼育されているほか、業界の即戦力として活躍できるカリキュラムが充実している
動物業界の変化に合わせアップデートしてきた教育プログラム
エコ・テクノロジー科、動物&海洋科、動物高度医療科、ペットビジネス科の4学科があり、さらに9つの専攻に分かれて専門分野を学ぶ大阪ECO動物海洋専門学校。業界トップの専門家約150人が講師を勤め、質の高い授業を展開している。
2024年度に新設されるECO自然環境クリエイター専攻では、4年間かけて大自然の中で実習を行うほか、業界で求められるビジネススキルを身につける。「この数年間で、SDGsに貢献できる取り組みをする企業が増えてきました。自然環境の中で活躍する人の育成はもちろん、これからは企業の中で環境に配慮した事業を起こしていける人を育てていきたいと思っています」(事務局長 村井さん)
「動物が好き」という学生の興味関心を大切にしつつ、即戦力として活躍できる力を身につけられるのがこの学校の特徴だ。柱となっているのは、英語力、テクノロジーの知識、マネジメント力を身につけられるカリキュラム。4年制の専攻では英語の授業が必須科目となっており、3年次には半年間のオーストラリア留学を通して実践的に英語を学ぶ。英語に力を入れている理由を、村井さんはこう話す。「例えば、新しい飼育技術や動物福祉に関する最先端の情報は、英語の文献で書かれています。その情報が日本語に訳されるのに1年を要することもあります。知識や技術を常にアップデートしていくために、英語力は必要だと思っています」
動物園や水族館で導入され始めてているのが、来場者情報や動物の体調を管理するためのAIシステム。授業ではAIの基礎知識や動画制作など、テクノロジーの知識を身につけることで、施設を運営する立場として貢献できる力を養う。さらに、変革期を迎える動物業界で必要とされているのは、企画力とマネジメント力。3、4年次に取り組む「企業プロジェクト」では、企業や施設からの課題に対してチームで戦略を練り、協力しながら課題解決のためのアイデアをプレゼンする。
学生一人ひとりに寄り添い卒業後の進路に繋げる
同校が重視しているのは、一人ひとりの学生を大切にし、卒業まで丁寧にサポートしていくこと。副校長であり教務部長の城者さんは、自身の思いを込めてこう話す。「せっかくご縁があって入学してくれた学生です。授業についていけなかったり問題を抱えていたりすることがあっても、なんとか卒業してほしいと思っています。その子の人生に寄り添って、成功できるように導いていくことが私たちの役目なんです」
学生を近くでサポートするのは、業界で経験を積んだ卒業生アシスタント。元ドルフィントレーナーでもある高見さんは、学生と一緒に授業を受けてクラスのムードメーカーのように振る舞うこともあると言う。「意外と多いのが、『何を質問したらいいのかわからない』と言う学生。先生の立場ではキャッチしきれない学生の悩みを聞いてアドバイスすることは多いですね」
2年次の春休みに実施される2週間のインターンシップでは、企業や施設で実際に働く体験をする。学生が希望した場合は、2回以上インターンシップを体験することも可能。4年制の専攻では大学院の進学が可能になる高度専門士の称号が付与されるため、卒業後の進路の選択肢が広がる点も魅力の一つと言える。
<VOICE>
大阪ECO動物海洋専門学校
動物園・動物飼育専攻 2年
福本さん
学校選びの決め手は、動物の多さ
この学校に通いたいと思った理由は、飼育されている動物が多いところ。将来は動物関係の仕事に就きたいと思って、幅広く動物のことを学べる動物園・動物飼育専攻を選びました。今は動物の飼育をするゼミに入っていて、週1回は動物の世話をしています。楽しさを感じる一方で、動物のちょっとした変化に気づくことには難しさを感じています。虫は苦手でしたが、餌として触れることもあるので段々慣れてきました(笑)卒業後は、動物福祉や環境への配慮を大切にしている動物園で働きたいなと思っています。
ライター/建石尚子 撮影/上林千晶
本文はCareerMapLabo Vol.4(2023.8月発行)内の掲載記事です。記載されている内容は掲載当時のものです。
建石 尚子Naoko Tateishi
教育ライター
1988年生まれ。中高一貫校で5年間の教員生活を経て、株式会社LITALICOに入社。発達支援に携わった後、2021年1月に独立。
現在は教育に関わる人や場を中心に取材や執筆をしている。
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