2024.11.18

講師は現役CA。イベント企画を通してスキルを身につける

講師は現役CA。イベント企画を通してスキルを身につける
航空業界の仕事を地域の子どもたちに伝えるイベントを企画する「地域貢献プログラム」。
ECC国際外語専門学校とスカイマーク株式会社が連携して実施する本プログラムの取り組みとその魅力をご紹介します。

エアライン実習室

プロ講師から学び専門知識をアップデート

 英語力を身につけることで、さまざまな業界で活躍できる人材を育成するECC国際外語専門学校。国内有数の旅客便数を誇る航空会社であるスカイマーク株式会社のキャビンアテンダント(CA)を講師に招き、同校の学生に対して指導や助言をする授業がある。国際エアラインコース【3年制】の2年次で必須科目となっている「地域貢献プログラム」だ。
 本プログラムに参加するのは、キャビンアテンダント(CA)やグランドスタッフ(GS)を目指す25名の学生たち。授業は全15回。同校の所在地である大阪市北区の4〜12歳の子どもたちを対象に、航空業界の仕事について知ってもらうイベントを企画し、当日の運営までを学生たちが担当する。イベントでは、手荷物を預けるカウンターでの接客と機内でのドリンクサービスを子どもたちに体験してもらう。学生は「子どもたちに仕事内容やその魅力を伝えるには、どのような言葉で説明すれば良いか? どのような体験があると良いか?」などを考える過程で、それまで学んできた知識を深めていく。
 講師を務めるのは、CA歴14年の川畑さん。本プログラムのほか、CAの考え方や立ち振る舞いを学ぶ授業「CAスタディ」も担当している。川畑さんのお話を聞いて学んだことを、2年生の玉置さんはこう振り返る。「座席に座っているのがお子さんの場合、咄嗟に動いてしまうことで事故に繋がる可能性もあります。どのようなことに気をつければいいのかをお話してくださって、改めてCAとして大切な視点を学ぶことができました」

“学生主体”でイベント企画教員や講師はサポートを

 イベントの企画書を作成し、講師へ指導や助言の依頼をすることも学生たちの役割だ。なぜそこまで学生たちが担っているのか。背景にあるのは、同校が教育方針として掲げている「専門力」「国際力」「人間力」「ICT活用力」の4つの力の育成だ。本プログラムでは、この中の「専門力」と「人間力」の向上がねらいとして位置付けられている。さらに、副校長の大谷内さんはこう付け加える。「教員や外部講師が中心となって授業を組み立てるのではなく、学生が主体となって授業を進め、講師の方にはそのサポートをしてもらうようなかたちで入っていただいています。大切にしているのは、学生の自主性の育むことです」
 同校との連携を進めたスカイマーク株式会社 人事課の原さんは、地域貢献プログラムに期待することについて、「航空会社も、各社特色はさまざまです。今回は当社の協力ですが学生さんは進路を考える上で、弊社のことを含めいろんな会社のことを深く知ってもらえる機会になればと思っています。また、小さな頃の体験などが印象に残り、それをきっかけに航空業界を目指す方が多くいます。イベントに参加したお子様たちにとっても、航空業界に興味を持って頂くきっかけになれば嬉しいですね」と語る。企業と学校が連携することで、航空業界の可能性はさらに広がっていくだろう。


玉置実咲さん
国際エアラインコース 2年生

旅行で飛行機に乗る機会が多かったことをきっかけにCAを目指す。幼少期からECCジュニアに通っており、さらに英語力を伸ばせる環境として入学を決意。

「地域貢献プログラム」では、実際にCAとして働かれている方だからこそお話ししていただけるような内容もありました。より良い接客や安全管理の面で、私たちが気づかないような視点でアドバイスをしていただけます。また、理想的なCAのイメージが膨らみ、これから学んでいくモチベーションにも繋がりました。

中村 匠さん
国際エアラインコース 3年生

スカイマーク株式会社フライトアテンダント(FA)職に内定。幼い頃から空港が身近な存在であり、高校生のときに航空業界を志す。

昨年は感染症の影響でイベントは中止になってしまったのですが、私の役割としては、お子様が機内アナウンスをする際のサポートでした。緊張する場面でもあると思ったので、お子様が安心して参加できるように、喜んでもらえそうなものを準備をしていました。また、さまざまな授業を通して、接客のスキルだけではなく正しい言葉遣いや保安業務についても学ぶことができたと感じます。


川畑明日香氏
スカイマーク株式会社

「接客」と「保安」どちらも大切なCAの仕事
 学生さんの接客の様子を見せていただいて、そのレベルの高さには驚きました。興味のある分野を学ばれているからこそ、そこまでのスキルが身についたのだと思います。

イベントではお子様にCAの仕事について説明する機会があり、わかりやすい言葉で説明することで、学生さん自身の理解も深まると思います。また、実際に飛行機に乗られるお客様は、赤ちゃんからお年寄りの方まで年代はさまざま。今回のイベントでは、お子様だけではなく保護者の方との関わりもあるので、とても良い経験になるのではないかなと思います。
 CAの仕事というと、接客をするイメージを持たれている方が多いのですが、飛行機を安全に飛ばすことやお客様の安全を守る保安要員としての役割もあります。講師として学生さんたちとお話しする中で、CAの仕事内容や役割をより深く知っていただく機会にもなると良いなと思っています。

ライター/建石尚子 撮影/内山光 本文はCareerMapLabo Vol.4(2023.8月発行)内の掲載記事です。記載されている内容は掲載当時のものです。

大谷内 圭

大谷内 圭 Ooyachi Kei

ECC国際外語専門学校
副校長

1971年創立。大阪市北区の専門学校。国際エアラインコースのほか、国際ホテルコースやこども教育コースなど13コースがある。英語教育には特に力を入れており、英検の実績は全国の専門学校の中でもトップクラス。授業の約半数は英語で行われている。

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