2026.06.08

オリジナル雑煮コンテスト「第4回Z-1グランプリ」結果発表

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オリジナル雑煮コンテスト「第4回Z-1グランプリ」結果発表
公益社団法人全国調理師養成施設協会が実施するオリジナル雑煮コンテスト「第4回Z-1グランプリ」。その決戦(最終審査)が5月22日、東京すし和食調理専門学校で実施されました。応募総数1,636作品の中からグランプリに選ばれたのは、城南高等学校2年生の林瑠海さん考案の「岐阜薬膳雑煮」でした。

 雑煮の食文化継承を目的とした「Z-1グランプリ」は、これまでにプレ大会を含め計5回開催されています。地元食材の使用や、地産地消・食品ロスといったSDGsを意識することなどがレシピ作成の条件で、参加対象は全国の小中高生となっています。

 過去のグランプリ作品の中には商品化されたものもあり、使用した特産品の販売促進につながるなど、食を通じた地域活性化・地域貢献を実現しています。
 過去いずれの回も1,000以上の応募がありましたが、今回は過去最高の1,636作品の応募が集まりました。その中から選ばれた5作品がグランプリ決戦に進み、各応募レシピを東京すし和食調理専門学校の教員・生徒が再現調理し、5名の審査員が審査に臨みました。
 審査員は、『ミシュランガイド東京2026』二つ星の名店「銀座小十」店主・奥田透さん、調理師免許を持ち料理男子として人気の俳優・タレント池田航さん、東京すし和食調理専門学校の長谷川哲也学校長、そして東京すし和食調理専門学校の在校生2名です。

グランプリ決戦に進出したのは、次の5作品です。いずれも地元食材をはじめ「ご当地らしさ」をふんだんに盛り込んだ、創意工夫にあふれる作品となっています。

八福の彩り イナムドゥチ雑煮~沖縄伝統×新春~
考案:東與那覇 稀乃(石垣市立石垣中学校2年生)他
推薦:琉球調理製菓専門学校(沖縄県)
使用ご当地食材:石垣島産車エビ、イナムドゥチ味噌

伊勢の恵み雑煮~伊勢芋入りつくねと伊勢茶漬け仕立て~
考案:德永 百花(三重県立明野高等学校2年生)
推薦:ユマニテク調理製菓専門学校(三重県)
使用ご当地食材:伊勢芋、伊勢茶、あおさ、桜えび、ひじき

●イナンクル(幸せ)貝苫(かいせん)雑煮
考案:近藤 未彩(北海道文教大学附属高等学校2年生)
推薦:北海道文教大学附属高等学校(北海道)
使用ご当地食材:北寄貝、姫竹

●岐阜薬膳雑煮
考案:林 瑠海(城南高等学校2年生)
推薦:岐阜調理専門学校(岐阜県)
使用ご当地食材:よもぎ餅、奥美濃古地鶏

●天むす雑煮
考案:木下 智紗子(愛知県立瑞陵高等学校2年生)
推薦:ニチエイ調理専門学校(愛知県)
使用ご当地食材:にんじん(へきなん美人)

 各審査員が全ての作品を試食し、独創性や斬新さ、彩り・見栄え、おいしさ、食材の無駄のなさなどから採点し、最も合計得点の高い作品がグランプリに選出されます。
厳正な審査の結果、グランプリに輝いたのは林瑠海さん(城南高等学校2年生)考案の「岐阜薬膳雑煮」。岐阜は冬の冷え込みが厳しい地域であるため、薬膳スープをベースに体の内側から温まる雑煮を考案したとのこと。
「銀座小十」店主・奥田透さんから「雑煮をそう考えるのかという想像力、発想やアイデアがすごい。食べる前から健康になれそうだと感じた」との評がありました。

 準グランプリは、木下智紗子さん(愛知県立瑞陵高等学校2年生)考案の「天むす雑煮」。えび天を餅で挟むことで名古屋名物の「天むす」を表現し、華やかで迫力のある作品となりました。
 俳優・タレントの池田航さんからは「さっぱりとした味わいと思いきや、衣や海苔が溶け出してどんどん味が変わっていくのが面白い」とのコメントがありました。

 新年を祝う正月行事は、古来より日本人が大切にしている行事であり、その時に食べる雑煮は代表的な日本の食文化の一つです。しかし、生活スタイルの変化に伴い、家族そろって雑煮を食し、新年を祝う機会が徐々に減りつつあります。
 その中で、調理師は食文化の継承という役割も担っています。公益社団法人全国調理師養成施設協会では、調理師を育てる学校の団体として、「Z-1グランプリ」開催での雑煮文化の継承を目指しています。

●「銀座小十」店主/奥田 透さん
決勝の5作品はどれも考え、悩み、工夫されたものだと感じられ、甲乙つけがたかったです。派手なもの、奇想天外なものが魅力的に見えたりしますが、一見地味に思えるものにも強い思いが詰まっていると感じました。

■審査を終えて――審査員のコメント

 食が多様化する中でも、お正月になると雑煮を食べる、餅を食べるという文化は残っています。その土地土地の先人たちの知恵や工夫で生まれたものだからこそ、今もなお受け継がれているのだと思います。ただ、以前はおじいちゃんおばあちゃんが子ども世代、孫世代に味を受け継いでいましたが、今は教えてくれる人が少なくなりました。この「Z-1グランプリ」は、学生の皆さんが自分の土地を知り、歴史を知り、食をもう一度考えることができる貴重な機会だと感じます。

俳優・タレント/池田 航さん
 1,636作品の中からの選りすぐりのトップ5は、どれも斬新で面白く、しかもおいしくてそれぞれに感動がありました。グランプリの「岐阜薬膳雑煮」は、寒い気候の中で体を内側から温める雑煮を作りたいという発想が素晴らしいですね。しかもそれを学生が一から考えたという点がすごいし、レベルの高さを感じました。
 料理は「美味しい」だけなく、作る側の思い、食べる側の思い、そして生産者の思いが詰まっています。そういうものを全部ひっくるめて「料理」なんですよね。学生の皆さん、特に料理の世界を目指す皆さんには、まずは「料理が楽しい」という思いを大切に、いろいろな世界を見てほしいと思います。

東京すし和食調理専門学校・和食調理科2年/平坂仁咲(まさき)さん
 今までお雑煮は家で作るものしか食べたことがなく、それが当たり前だと思っていました。今回「Z-1グランプリ」の審査に参加して、いろいろな土地のアイデアにあふれたお雑煮に触れ、皆さん高校生なのに創造性が豊かでとても勉強になりました。「この食材とこの食材を組み合わせると、このような味わいになるのか」と驚き、刺激も受けました。
 私はすしと和食に興味があり、この2つを集中的に学べる「東京すし和食調理専門学校」を選びました。まったくの料理未経験で包丁もあまり握ったことがない状態で入学したので、今は授業に必死についていっています。将来は海外で、小さくても自分のお店を持つのが夢です。

東京すし和食調理専門学校・和食調理科2年/槇 直人さん
 決勝の5作品は、どれも斬新でオリジナリティにあふれる作品ばかりでした。お雑煮にこんな食材を!という驚きもありました。特に鶏の旨みがお雑煮に合うのは発見でした。「Z-1グランプリ」のようなコンテストは、自分の個性やオリジナリティが発揮できるので良い機会だと思います。小中高生にもっと参加してもらい、皆で日本の料理文化を盛り上げていけたらと思います。
 私はこの学校ですしと和食を学んでいますが、特にすしは一見簡単そうに見えて仕込みがすごく難しく、非常に手が込んでいる料理です。日本の伝統的なすしを一から学べるのは、とても楽しいですね。すしは海外でも人気なので、いつか海外で自分の店を開けたらと思っています。

東京すし和食調理専門学校・学校長/長谷川哲也さん
 指導者として日々、学生と接する中で彼らの発想力に驚かされることが多いのですが、今回の5作品も諸条件がある中で発想をフルに活かし、我々が思いつかないようなアイデアが詰め込まれていてとても面白かったです。その中、今回は発想力だけでなく味も伴っていたものに投票させてもらいました。
 今回の大会の応募総数は1,636作品に上りましたが、もっと増えてほしいというのが正直な気持ちです。昔に比べると「自宅で雑煮を作る」という文化がなくなりつつあると感じます。すしと和食を専門に教える学校として、「Z-1グランプリ」が日本中に広がり、もっと盛り上がってくれることを願っています。

審査員は、『ミシュランガイド東京2026』二つ星の名店「銀座小十」店主・奥田透さん(写真中央)、調理師免許を持ち料理男子として人気の俳優・タレント池田航さん(写真左から2番目)、東京すし和食調理専門学校の長谷川哲也学校長(写真右から2番目)、そして東京すし和食調理専門学校の在校生である平坂仁咲さん、槇直人さん

伊藤 理子

伊藤 理子Riko Ito

フリーエディター・ライター

経済専門紙記者、日経ホーム出版社(現・日経BP)編集、金融情報記者、リクルート「週刊B-ing」「リクナビNEXT」編集などを経て、フリーに。Webサイトや情報誌、書籍などで仕事、キャリア、ビジネス、教育分野などのテーマを中心に取材・執筆活動を行う。

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